• Google+でシェア
    Gl+
  • はてなブックマークに追加
    0
  • LINEでシェア
    LINE

LLC(合同会社)設立手続

LLC(合同会社)設立手続

LLC(合同会社)とは?

これまで、日本における事業形態は「人的組織=無限責任」「物的組織=有限責任」という
システムが確立されてきました。

しかし、この固定観念とも言うべき事業形態に平成18年5月施行の新会社法によって、まったく新しい制度が導入された、それがこの「LLC(合同会社)」なのです。 
このLLCは、会社ですから有限責任ですが、人的組織です。社員の個性や特質が重視され、人的信用を会社の基礎とします。 LLCでは定款自治が認められ、その組織を会社に応じて設置できるようになります。機関設置は不要です。

もちろん、それだけではありません。LLP(有限責任事業組合)と同様に、利益分配においても社員間での自由意思に基づく運営が可能となるのです。 

ただ、LLPとは大きく違う点があります。LLPは構成員課税システムですが、LLCは会社であることから法人課税となります。

LLCと株式会社の比較

株式会社との共通点

法人である。
出資を責任の限度とする有限責任制である。
1円での設立可能。

株式会社との相違点

定款自治の範囲が拡大。
社内機関・利益分配は社員の合意による。
議決権配分を定款で自由に決めることが可能。
定款や全社員の総意により一部の社員を業務執行社員にできる。
業務執行を全社員で行なう。
会計監査人は置かなくてよい。

魅力

LLCは、人的組織かつ法人格を有する有限責任制であり、社員の個性を生かした専門分野での事業における活用が期待されます。

たとえば、
法律、金融、マーケットの専門知識を有する個人の集合による事業
特許を有する個人の集合による共同事業
法人同士による製造・流通・販売の一括事業
法人同士による研究開発事業
上記の例は一部に過ぎませんが、活用スタイルは未知数的に広がります。

事業提携・連携によって個人や法人が力を合わせる道を開くことにより、ニーズが複雑化する市場に対応できる、時代に即応できる、そのような可能性を秘めていうるのがLLCです。

また、法人格を有しながらの人的資産の結合した経営形態と内部自治の拡大を認めるなど、今日までの会社形態では考えられなかった制度です。

LLC設立手続きの流れ

手続き 内  容
1.会社設立予定日の決定 まず、会社の設立予定日を決定。 スケジュールに従って予定を組む。
2.会社の内容を決める ●商号
類似商号調査の必要はありませんが、同一の所在地での同一の商号は登記できません。
●目的
将来の事業展開を見据えて、行う可能性のあるものは入れておきましょう。
●本店所在地
登記される会社の住所です。
●資本金の額
合同会社も株式会社と同じく資本金1円以上で設立できますが、取引先や一般消費者は、その会社の信用を登記簿に載っている資本金の額で判断しているのが現状です。また資本金は会社設立当初の運転資金ですので、そのようなことも考慮したうえで、資本金の額を決めましょう。
●役員に関すること
合同会社は、原則として社員(=出資者)の全員が業務を執行することになります。社員1名から設立可能です。
●事業年度
設立してから、第一期目の決算までをなるべく長くし、設立する月の1日からの1年を事業年度とするのが一般的ですが、行う事業によっては、それが繁忙期と重なる場合などは配慮しましょう。
3.類似商号の調査、会社の目的適格性をチェック 本店所在地を管轄する法務局で商号を調査。新会社法施行後は緩和されましたが、不正競争防止法の絡みもあるため調査します。
4.会社の印鑑を作る 代表者の印(会社実印)を作成する。
※当センターは広島市内の印鑑屋さんと提携していますので、センターに印鑑の作成を依頼することも可能です。
5.定款の作成 定款は会社の「憲法」のようなもので、商号・本店所在地・目的等、会社の組織や活動内容について記入。
定款には2で決めた基本事項を基に当センターで作成致します。 合同会社の場合、株式会社と違い、定款の認証は必要ありません。
6.出資(資本金の振込み) 金融機関に出資金を払い込み。出資金を、各社員によって代表者の個人名義の銀行口座へ振り込みして行います。
7.登記申請書の作成 代表社員及び本店所在地を決定したことを証する書面や代表社員の就任承諾書、払込を証明する書類など登記申請に必要な書類を作成致し、会社の代表印等を押印します。

※ 会社の代表印は登記の際に必ず必要になります。
8.登記申請 申請後約1週間後に会社設立。当センターでは会社謄本・印鑑証明書の取得及び印鑑カードの交付申請手続きもサービスにて行います。
9.諸官庁への届出 税務署・都道府県税事務所・市町村への開業届提出、ハローワークへの雇用保険加入手続、社会保険事務所への社会保険加入手続。(これらの手続もオプションで行なっております。行政書士、社会保険労務士の業務範囲を超えるものは提携事務所と連携し行ないます)

LLC設立後の手続き

税務関係

届出書類 提出期限 提出先 届出事由など
法人設立設置届出書 法人設立の日から2ヶ月以内 所轄の税務署 法人を設立したとき(添付書類として定款等の写しや登記簿謄本などの決められた書類が必要)
給与支払事務所等の開設届出書 法人設立の日から1ヶ月以内 所轄の税務署 従業員を雇うとき
青色申告承認申請書 法人設立の日から3ヶ月以内または最初の事業年度の終了日のいずれか早い日の前日まで 所轄の税務署 青色申告にしたいとき
棚卸資産の評価方法の届出書 最初の事業年度の確定申告のときまで 所轄の税務署 届出がない場合には、最終仕入れ原価法
減価償却資産の償却方法の届出書 最初の事業年度の確定申告のときまで 所轄の税務署 届出がない場合には、減価償却は定率法となる
事業開始等申告書(開業等届出書) 都道府県の定める日 都道府県県税事務所 法人を設立したとき
法人等の設立申告書 市長村の定める日 市区町村 法人を設立したとき

労働・社会保険関係

届出書類 提出期限 提出期限 ・留意点など
社会保険事務所
(健康保険、厚生年金保険)
新規適用届 ・法人の事業所は全て強制加入
新規適用事業所現況届
被保険者資格取得届
被扶養者届
公共職業安定所
(雇用保険)
適用事業所設置届 ・従業員を雇用するときは適用事業所になる
・雇用保険の適用事業所となった翌日から10日以内
被保険者資格取得届
労働基準監督署
(労災保険)
保険関係成立届 ・適用事業所は雇用保険と同じ
・従業員を10人以上雇用する場合は、「就業規則」の届出も必要
労働保険概算保険料申告書

労働保険、社会保険の新規適用手続は、今後の会社の福利厚生を充実させ、従業員の定着率を上げるとともに、求人がしやすくなるために重要な手続です。アーチ広島社会保険労務士法人ではLLC設立後も社会保険労務士として会社の負担を考慮しつつ最適のアドバイスを致します。